コピーフォーム
□ハンドル
□メッセージ
三日くらいしかいらなかったんじゃないのか? さて。自分の価値の低さを今さら悩んでも仕方ない。 問題は、これから何をするかだろう。三か月で。 俺はルーズリーフを一枚取り出し、ペンを手に取り、そこに「やりたいことリスト」を作成した。 いよいよそれらしくなってきたな。 やりたいことリスト。 たとえば、こんな感じだ。 ・幼馴染に会って礼を言う ・親友と会って馬鹿話をする ・なるべく多くの時間を家族と過ごす ・知人全員に向けて遺書を書く ・大学には行かない ・アルバイトにも行かない まあ、全体的に平凡な発想だ。 誰に書かせても似たような感じになるだろうな。 いつの間にか真後ろにミヤギがいて、俺の書いたリストを眺めていた。 「それ、やめた方がいいですよ」 一つ目の項目を指差して、彼女は言った。 ”幼馴染に会って礼を言う”。 「なぜ?」と俺はミヤギに訊ねた。 ――幼馴染について、ちょっと説明するか。 夢にも出てきたその子と俺は、四歳からの仲でさ。 彼女が転校するまでは、どこにいくにも一緒だったんだ。中学に入って新しい環境に馴染めず、クラスで孤立した俺に唯一毎日話しかけきて、 「どうしたの?」って聞いてくれたのも幼馴染だった。 離れ離れになった後も、辛いことがあったとき、俺が思い浮かべるのは幼馴染のことだった。 彼女がいなきゃ、今の俺は無かっただろうな。 まあ、無いなら無いでいいんだけどな。 とにかく俺は彼女に感謝していたんだ。ここ数年まったく連絡はとっていなかったが、もし彼女に何かあったら、真っ先に駆けつけようと思ってた。 どんな形でもいいから、彼女に恩返ししたいと思ってたんだ。