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題名:☆慶チン⌒☆の部屋
- ☆慶チン☆
- 2013/04/17 01:13
まいどト樢Q
慶チンでふ(≧▽≦)ゞ
腕はありまてんが、オセロ好きでふヘ
仲良くしてくれてる方もまだそうでない方も遊びに来てコメしてに
よろちく〇〜
⇒書き込み
No.186
☆慶チン☆
2013/05/10 14:32
三日くらいしかいらなかったんじゃないのか?
さて。自分の価値の低さを今さら悩んでも仕方ない。
問題は、これから何をするかだろう。三か月で。
俺はルーズリーフを一枚取り出し、ペンを手に取り、そこに「やりたいことリスト」を作成した。
いよいよそれらしくなってきたな。
やりたいことリスト。
たとえば、こんな感じだ。
・幼馴染に会って礼を言う
・親友と会って馬鹿話をする
・なるべく多くの時間を家族と過ごす ・知人全員に向けて遺書を書く
・大学には行かない
・アルバイトにも行かない
まあ、全体的に平凡な発想だ。
誰に書かせても似たような感じになるだろうな。
いつの間にか真後ろにミヤギがいて、俺の書いたリストを眺めていた。
「それ、やめた方がいいですよ」
一つ目の項目を指差して、彼女は言った。
”幼馴染に会って礼を言う”。
「なぜ?」と俺はミヤギに訊ねた。
――幼馴染について、ちょっと説明するか。
夢にも出てきたその子と俺は、四歳からの仲でさ。
彼女が転校するまでは、どこにいくにも一緒だったんだ。中学に入って新しい環境に馴染めず、クラスで孤立した俺に唯一毎日話しかけきて、
「どうしたの?」って聞いてくれたのも幼馴染だった。
離れ離れになった後も、辛いことがあったとき、俺が思い浮かべるのは幼馴染のことだった。
彼女がいなきゃ、今の俺は無かっただろうな。
まあ、無いなら無いでいいんだけどな。
とにかく俺は彼女に感謝していたんだ。ここ数年まったく連絡はとっていなかったが、もし彼女に何かあったら、真っ先に駆けつけようと思ってた。
どんな形でもいいから、彼女に恩返ししたいと思ってたんだ。
No.187
吉祥天ζゑ一族ζ
2013/05/10 14:58
(o~∇')ノ 大丈夫だぉ
No.188
☆慶チン☆
2013/05/10 16:12
天テン
最後まで読んでに
No.189
☆慶チン☆
2013/05/10 16:19
「その幼馴染さんですけど」とミヤギは告げる。
「十七歳で出産してるんです。で、高校を退学。
十八歳で結婚しますが、十九歳で離婚してます。
二十歳の現在は、一人で子育てしてますね。
ちなみに二年後、首吊り自殺することになってます。
いま会いにいくと、多分『お金貸せ』とか言われますよ。
あなたのこと、ほとんど覚えてませんし」
俺がどんな反応を示したかって?
そりゃ、がっつり傷ついたさ。
がっつりな。
一番大切な記憶を台無しにされたんだからな。
情けない話なんだが、二十歳になっても、俺の根っこの部分はどこまでもピュアと言うか…
ナイーヴというかセンシティヴというか…
ようするに子供の頃から成長していなかったんだな。
何かが変わったり、何かが終わっていく、そういうことが、いまだに耐えらないんだよ。
成人男性のくせにカナリヤ並に敏感なんだ。
それでも俺は極力気にしていないふりをして、「ふうん」と言いながら煙草に火を点けた。
三本くらい吸うと、体調が悪いせいか、嫌な感じに頭が痛くなってきてたな。
でも吸い続けた。
色んなことを忘れるために。
ミヤギは部屋のすみに戻っていった。
で、ノートにさらさらと何かを書いてたな。
気が付くと、いつの間にか日が落ちていた。
俺は自分の書いたリストに目を落とし、幼馴染の項に取り消し線を引いた。
それからもう一度リストをじっくり眺めて、電話を手に取り、ゆっくりボタンを押した。
『どうしたの? 珍しいね、あんたからかけてくるなんて』
お袋の声を聞くのは、本当に久しぶりだった。
バイトと勉強が忙しくて電話をする暇がなかったからな。
「急で悪いけど、今から実家に帰っていいかな」。
俺はお袋にそう聞くつもりだったんだ。
No.190
☆慶チン☆
2013/05/10 16:32
で、家族の無償の愛とやらに包まれながら、余生を穏やかに過ごそうと思ってたんだよ。
だが、こっちが何か言う前に、お袋はべらべらと喋り出した。
それは俺の二つ下の、弟の話だった。
お袋はことあるごとにあいつの話をしたがるんだよ。というのも俺の弟、ちょっとした有名人なんだ。
野球をするために生まれてきたような男でさ、一年の時から甲子園で投げてるんだよ。
テレビにもしょっちゅう出てるんだ。
自慢の弟さ。
弟の相変わらずの大活躍については勿論のこと、お袋は、弟が連れてきた恋人の話までし始めた。
「とにかく美人なのよ」とお袋は二十回くらい言った。
「同じ人間とは思えないほど美人でね、その上性格も……」
まるでもう孫ができましたみたいな話ぶりでさ。
俺の話なんて全く聞こうとはしてねえんだよな。
実家に帰ろうという気持ちは、段々としぼんでいった。
最近では、その弟の素敵な恋人さんってのを、しょっちゅう家に招いて夕食を一緒にするらしい。
その場に俺が混ざるのを想像しただけで死にたくなったね。
俺は適当なところで電話を切った。実家に帰るのは、やめた。
今日は何をしても駄目な日なんだ、と俺は決めつけた。
好きなことでもして気分を紛らそうじゃないか。
それで明日になったら、また何をするか考えよう。
というわけで、欲望の赴くままに過ごそうと決めた俺だったが、その上で、どうしても邪魔になるやつが部屋のすみにいるんだよな。
「私のことはいないと思ってくださって結構ですよ」
俺の気持ちを察したのか、ミヤギはそう言う。
だが、本人がいくらそう言っても、気になるものは気になる。
自分で言うのもなんだが、俺はかなり神経質なんだ。
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